かつて美女であったであろう、モノがそこに置かれていた。 目の周りを泣き腫らしており、紫に染まった唇からは在りし日の生気を感じさせなかった。 長期に渡って手入れのされていない毛髪は艶を失い、伸びるに任せていた。 鼻や乳首、ヘソに施された大きなリング状のピアスは、自身に自由が無いことを物語っている。 それは、海軍に拿捕された海賊の一味。 仲間の延命を理由に差し出すは、自らの「人」としての生。 手足は肘膝で断たれ、縫合跡も生々しい。 来る日も来る日も、海兵達を相手し続けたことで性器は変色し、見るも無残な変形を遂げていた。 なにより、父親の知れない子を孕み、その腹を大きく張らせていた。 「・・・いらっしゃい。どうぞ、お好きなように・・・。」 |